20 重伝建 吉良川の町並み

重要伝統的建造物群保存地区・吉良川の町並みへ来た。
明治から昭和の時代、吉良川は土佐備長炭の集積地として大いに栄えた。

吉良川の町並み

「台風銀座」と呼ばれる程台風がひんぱんに上陸するこの室戸で、ほとんど独自進化と言って良い町並みや家構えが今でも残っている。

吉良川の町並み 妻側が赤れんが

大正15年から昭和40年頃まで郵便局だったのは、熊懐家住宅だ。
ポストは郵便局から寄贈されたもので、今では使用することはできない。

吉良川の町並み 熊懐家住宅(旧郵便局)

鬼瓦のちょんまげみたいな郵便マークがこじゃれている。

吉良川の町並み 〒郵便マークの鬼瓦

旧郵便局から路地に入ってみる。

吉良川の町並み 熊懐家住宅横の路地

吉良川の町並みにおいて、もっとも特徴的と言える「いしぐろ」という石垣塀が残る。
いしぐろは、強風から家を守るためのもので、吉良川においては浜石や川原石を主に用いている。

吉良川の町並み いしぐろに囲まれた民家

丸石や切石、空積や練積といった、様々に積まれた石の上に瓦が乗り、それぞれの家屋に個性を与え、装飾の面から見ても相当に風雅な佇まいとなっている。

吉良川の町並み いしぐろ

町並みは、室戸の地形をうまく利用している。
南海トラフなど大地震の恒例地でもある室戸では、海抜の低い土地から、地震で盛り上がった段丘があり、その先も長い年月で隆起した崖があり、さらに台地がある。

海に近い場所では、建物は二階建てで屋根は高く、段丘上の土地は一階建てで屋根は低い。屋根の海抜高さは両者ほとんど同じなのは、風が建物に当たらずに吹き抜けていくようにしてあるのだ。台地が、東から吹く室戸の凄まじい風から家屋を守ってくれてもいる。

吉良川の町並み 水切り瓦

また上の写真の様な水切り瓦も、横殴りの雨から漆喰の白壁を守るために工夫されたもので、上から滝の様に流れてくる雨水が、この水切り瓦をつたって地面に落ちるようになっている。耐久性は100年もあるという。

ほかにも、左瓦と右瓦が棟を挟んで葺き分けられている家屋が残っているが、これは、主に東から強風が吹く室戸の特徴に対応したもので、瓦同士の重なりを風下に持ってくることにより、雨水の侵入を防いでいるのである。

武井家の妻側(横)は、西の路地面は煉瓦で、吹き付ける強風に耐え、装飾としても華美な印象を与える。また、家屋の西側は二階であるが、東側は「つし二階」と呼ばれるもので、つしとは天井裏の物置とでもいえるもので、タンスなどの家具を収納している。

吉良川の町並み 武井家住宅 混合する二階とつし二階

炭問屋の細木家住宅。
今でも備長炭を商っている。
つし二階と水切り瓦、なまこ壁と格子、ベンガラの戸など、美しさに気品を感じる構えとなっている。

吉良川の町並み 細木家住宅 炭問屋の家

家と家の間。せまい。

吉良川の町並み 家と家の間

吉良川へようこそ。
いえ、こちらこそお邪魔しています。

吉良川の町並み 格子戸

ふいに良い香りがしてくる。
パン屋さんだ。

吉良川の町並み 徳屋のパン

キラメッセ室戸で買った西山きんとき芋クリーム大福がやっと融けてきたので食べつつ眺める。これも食べたいと思いつつ結構お腹はいっぱいだった。

吉良川の町並み ホームベーカリー 徳屋

細木家住宅にお邪魔。
ちなみに吉良川は細木家が多く存在する。

吉良川の町並み 細木家住宅 つしのある家内部

屋内をのぞいた細木家は、母屋の大屋根の中に二階が組み込まれた「つしのある家」

吉良川の町並み 細木家住宅 つしのある家

季節の花々が可愛らしく並んでいた細木家は、「格子のある家」

吉良川の町並み 細木家住宅 格子のある家

町並みの見所は主に北側にあるが、南側には御田八幡宮があり、参道の並びに観光拠点の施設がある。

吉良川の町並み 旧松本邸(まちなみ館)

旧長田家と旧松本家を使用したまちなみ館は、定休日は火曜で、トイレも完備されている。
おまつり館では、吉良川の歴史や伝統を写真などで伝えている。

吉良川の町並み おまつり館

誉田天皇、神功皇后、比羊神を祀る御田八幡宮。
重要無形民俗文化財の御田祭が西暦奇数年の5月3日に行われる。あれ?明後日だ!

吉良川の町並み 御田八幡宮 おんださん

御田祭では鎌倉時代から続いており、田楽や猿楽が奉納される。子授けの祭りとしても有名だ。
異説ではあるが、日本三大奇祭の一つとして数えられることもある。

樹齢500年といわれる御田さんのクスノキ。それこそ風雨にさらされながら強く強く生きている。

吉良川の町並み 御田さんのクスノキ

ソーラーでてろんてろん動くアイツら。

吉良川の町並み ソーラーのおもちゃ

それにしても土佐漆喰と水切り瓦の美しさは様々な町並みを観てきたが群を抜いている。
土佐と言えば「いごっそう」要は粗暴なイメージがあったりもしたが、それだけではなく、やはり日本人の先人の多くが有していた繊細な美的センスも持ち合わせていたのだと、認識が改まった。

吉良川の町並み 海

池田家住宅は、喫茶店「蔵空間茶館」を営んでいる。

吉良川の町並み 池田家住宅 蔵空間茶館

旧吉良川消防分団屯所。現在は機能していないようだ。

吉良川の町並み 旧吉良川消防分団屯所

台風銀座は、銀座なんていうと聞こえはいいが、つまり災害の常襲地である。地震も台風も、ほんらいもう住むのを諦めてもおかしくないくらい頻繁に当然に襲来するこの苛烈な土地で、それでも人は棲み、暮らし、そして涙ぐましいほどに美しさをも意識して、廻船を営み、繫栄した。

ひと口に「和の心」というが、その中にも細分化された多くの人々の想いが隠されていることに、もっと着目すべきであろう。


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