26 肥前名護屋城址

2009年8月2日(日)16:15
肥前名護屋城は国の特別史跡に指定されている。
まずは佐賀県立名古屋城博物館へいこう。ここは必見。入場無料という太っ腹で、名護屋城の資料はかなり充実。100円でも取って遺構保存の補助くらいにしても良いくらいだ。

佐賀県立名護屋城博物館


博物館からは名護屋城の大手が望める。
重苦しい曇り空が、より雄大な雰囲気を演出していた。

名護屋城博物館から大手

名護屋城は、ある意味で日本の果てに建てられた最高峰の城郭都市である。
見方によれば日本の果て。見方によれば世界の中心。立場、時代、思想によって見方は幾通りにもなる。

大手口の櫓台。石積みは石垣技術の発展途上だ。印象としては、小田原の石垣山城の感じと似ている。
石垣の大ぶりさが秀吉らしい。

名護屋城 大手口櫓台

唐入り。朝鮮出兵。文禄・慶長の役。壬辰・丁酉和乱。言い方も色々ある。
和乱は良くない。これはつまり日本の謀反みたいな言い方だ。中華思想でいうと、日本は中国の僕であるが、日本は聖徳太子の時代に正式に華夷秩序から独立している。

大手口の櫓台から見える郭。広々としている。左端に大手道が見える。

名護屋城 大手口櫓台からの見晴らし

朝鮮出兵。これも秀吉の目的を矮小化している。秀吉の狙いは、最終的に中国(唐)なので、やはり当時そう呼ばれたように、唐入りが妥当なのではないか。

名護屋城阯碑 大手

東出丸からは呼子大橋が見える。あのあたりで秀吉は舟遊びをしたようだ。
加部島も見える。

名護屋城 東出丸から呼子方面

水の手口。この辺りは人気が少ない。

名護屋城 水の手口

遊撃丸。明の使者をもてなしたという。石積みは顕著に打込接。

名護屋城 遊撃丸

二の丸も広大だ。あんまり広大で、写真なんてどれも芝生を写してるだけにしか見えない。

名護屋城 二ノ丸

乗馬訓練などをした馬場。郭というよりも通路である。

名護屋城 馬場

三の丸井戸。当時はちゃんと囲いもあったろうか・・・

名護屋城 三ノ丸井戸跡

本丸へ向かう。
秀吉は、織田信長の遺髪を継いでいることを考えれば、唐入りは信長の夢であったともいえる。天皇を大陸に遷座させる計画まであったというから、その構想は国内基準で見ると目が曇るだろう。

名護屋城 大手

ようするに豊臣秀吉は、国内を統一した歴史上の偉人たちが行ったことと、同じことをしている。ということだ。
アレキサンダーしかり、モンゴル帝国しかり。強大な力をもったカリスマは、世界に目を向ける。これは世界の常識だ。
よく言われる「秀吉は天下統一をするまでは神がかり的に強くて素晴らしかったが、そのあとは権力に憑りつかれ、朝鮮を侵略し、魔法にかかったように愚かでダメだった」

名護屋城 本丸から

負けたからそういう表現になるだけだ。
唐入り当時を考えてみたい。100年も続いた戦国時代が終わる時代。血気盛んで、一旗あげたい武士たちが、まだ何百万もいる時代。
日本の土地は狭く、もはや恩賞となる土地は無い。信長は茶器などでごまかしていたが、やはり武士というのは「一所懸命」与えられた土地を命がけで護る本能がある。

名護屋城 多門櫓跡から天守台

本丸から、天守台を歩きつつ思った。
本なんかで見るより、はるかに戦意は高かったのではないか。ちょうど、大東亜戦争の時のように、一部を除いて、イケイケゴーゴーだったのではないか。

戦国時代ということは、皆が臨戦態勢だったということだ。秀吉は敵を殺さないタイプの男だったから、まだまだ戦い足りない武士がゴマンといて、日本よりはるかに広大な土地がある中国大陸への野心と、秀吉の世界への夢と臨戦態勢の武力の放散という利害は一致している。

名護屋城 天守台

結局、唐入りは失敗に終わる。だいいち、秀吉が死んでしまった。
これも、世界の偉人たちの多くがたどった道でもある。

そして、次に天下を盗る徳川家康は、信長・秀吉の失敗を糧として、出兵よりも貿易で利益を上げる方針を採る。徳川家康は鎖国をしたというのは大嘘で、鎖国になったのは家康死後だ。

戦い足りない武士たちは、唐入り、関ヶ原、大坂の陣、島原の乱などを経て、次第に消耗、戦意も失った。こうして江戸時代と言う世界史的にミラクルピースと呼ばれる200年の平和が訪れたのは決して奇跡なんかではない。100年戦い疲れた反動ともいえる。歴史は全部つながっているのだ。


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