22 久保田城跡~佐竹20万石の城~

久保田城。
久保田藩主佐竹氏の居城である。

今の秋田市内の中心部に城跡はあり、建造物のほとんどは失っているが、水堀や土塁など自然の地形を活かした構えは遺っている。

2015年のGWは本当に暑かった。
まるで夏が勘違いして到来してしまったかのようだった。

大手門の水堀前はポケットパークとされ、小さな憩いの場となっている。
噴水が水堀に設置され、一斉にしぶきをあげていたのが涼しげだった。

千秋公園ポケットパーク

佐竹氏は源氏のれっきとした血筋であったが、関ヶ原で石田方の西軍につき、付いたが大して戦わず、そうした態度も徳川から嫌われ、ほとんど家康の趣味であった血筋保留というそれだけの理由でのみ存続を許され、ここ秋田に「左遷」された。

そういう、卑屈な面を多く秘めている。そんな目でこの城を見てみると存外面白いかもしれない。

大手筋は東側の黒門跡を経由するが、城郭的には広小路に対して正面の中土橋を経て松下門を通るのが普通に見える。

大手筋。奥に見えるのが黒門に至る唐金橋跡
久保田城 内堀

どちらから入っても、城山の東側に広がる二の丸に至る。
ただし松下門の先から二の丸へ至る短い道はやはり地味な印象で、中土橋が分断する大手門の堀・穴門の堀は雄大な幅を擁するがゆえに、威風を伝える一種の装飾であることも窺わせるのである。
西側と北側は帯曲輪であり、二の丸に連結されている。

黒門の枡形。枡形として基本的な構造である
久保田城 黒門跡枡形

二の丸はなかなか広大で、その更に奥には胡月池といった庭園のような風情や馬場が広がっていたが、それらは素通りでストレートに長坂を経て本丸に至ることができる。
そこまで守備に力を入れなかったのだろうか。シンプルすぎる構造に思えた。

売店の左側が長坂
久保田城 二ノ丸

本丸へ至る長坂。
織田信長の安土城や犬山城に見られる大手道の踏襲のような坂だ。

久保田城 長坂

長坂を登ると、長坂門だ。
久保田城は石垣を使用しない城であったが、腰巻の石積みを土塁の抑えとして用いてはいた。

久保田城長坂門跡枡形

長坂門の枡形の先は、この城の壮大さを忍ばせる再建された表門(一ノ門)と、この城唯一の現存建造物・御物頭御番所がある。

久保田城 御物頭御番所

御番所は江戸末期の頃再建されたが、場所は当時から変わらず、長坂門の開閉や、城下一帯の警備、登城者の監視などを、番所に詰めた物頭が担当した。

久保田城 御番所内部

再建された表門は一ノ門とも呼ばれる本丸の正門であった。
木造二階建ての瓦葺櫓門は、佐竹の意地を感じることのできる壮大な造りとなっており、佐竹氏の家紋である「五本骨扇に月丸」があしらわれている。

久保田城 再建表門(一ノ門)

表門をくぐり本丸に入ると、表門の礎石が展示されている。
本来は再建された表門の場所にあったものである。

久保田城表門礎石

本丸から東側を眺める。
下手には二の丸の胡月池が、その先には太平山の方面が見渡せる。

久保田城 本丸から胡月池と城下

本丸には佐竹義堯公銅像が。
近代秋田を開いた久保田藩最後の藩主である。

久保田城 佐竹義堯公銅像

銅像は大東亜戦争に出兵し帰らぬ身となったが、往時をしのぶ人々の想いを受け最初は旧銅像の原型として残っていた小さな銅像を、そして市制100年を記念し平成元(1989)年に完全に復元された。


久保田城は天守の無い城であったが、北西の一番標高の高い場所に隅櫓があった。

久保田城 再建御隅櫓

御隅櫓と呼ばれていたとしたら、実質天守だったのであろう。
構造は二階建てであったが、再建の際展望室を設けたため隅櫓の居住まいは隅櫓然としていない。

久保田城 御隅櫓

初めて来た2010年は朝早すぎたために御隅櫓には登れなかったが、今回は登ることができた。

久保田城 再建模擬御隅櫓からの秋田

城内は佐竹の資料や城下の復元模型など。
こういう展示はどこも同じね(;´∀`)

久保田城下復元模型

唐金橋から城外へ。
かつての20万石の城も、今では都市公園だ。

久保田城 唐金橋跡から内堀

今は千秋公園と呼ばれる久保田城跡の主要部分はともかく、他は都市の中に埋もれつつも、建つ碑によってそこが城郭のどの部分であったか、あるいは何と呼ばれた町だったのかが窺える。

久保田城穴門跡

秋田に巨大な城は無い。
しかし、この久保田城は近世城郭として江戸期の太平を護った。

久保田城穴門の堀

久保田藩の石高は、当初20万石であったのに対し、新田開発などの努力で幕末には実質40万石を持っていたという。

秋田は思ったより大きな都市である。
久保田城の時代の頃からの、悔しい思いが都市を大きく発展させた原動力なのかもしれない。

ただ、城跡には秋田美人はおりませなんだ。
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作成致します。

その中で、オーストラリアの方が「津和野という所は水路があって、そこに鯉がいる。とても美しかった」
とインタビューで答えました。

その際に補足情報で
8.津和野城と城下町〜山陰の小京都〜
に掲載されております
下記に記載致しますURLの画像を
使用させて頂きたく思います。

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