10 坂の上の雲と松山城

まことに小さな国が、開花期を迎えようとしている。

司馬遼太郎は「坂の上の雲」の冒頭である。
2010年当時は、まさにNHKで年末に放映されていた時期だ。

日本という国は、米と絹以外に産業がなかった。

明治維新後の日本の歴史は、まさにそのために起こった騒乱の積み重ねであったと言える。
「鎖国」を終え、開国に当たり列強と締結した条約はまことに不平等なもので、それを解消するために日本はほとんど絶望的な日清・日露戦争を戦い抜き、ギリギリの勝利の先に待っていたのは坂の上の雲どころか、欧米の差別心に基く敵対政策だった。

「近代化」した日本にとって致命的だったのは、自国でエネルギーとなる資源を採れなかったことである。
今も変わらないが、要するに油を停められたら日本は枯れ死ぬのである。

坂の上には、日本より一歩先んじて世界に台頭したアメリカがいた。
日本は開国した時点で、この国とはいつかどこかでぶつかる運命だったと言える。

アメリカをはじめ列強に資源供給を停められた日本は、「最後」の絶望的な戦いに突入せざるを得ない。

大東亜戦争。

今でいう太平洋戦争はこうして起こるのだが、「坂の上の雲」の頃の日本人は、遠い未来に起こりうる事態を、多分、たぶんだけど脳裏に何度もかすめながらもあの時代を突き進まざるを得なかったのではないかと思う。

「坂の上の雲」のまち松山 スペシャルドラマ館

その、坂を上る原動力となる男を輩出したのが、つまるところ、この伊予松山城(城郭についてはこちらへ☆)の城下町なのである。

松山のまち

伊予松山藩は、徳川一門の松平家の藩であり、幕末は幕府側につき、大きな活躍もないまま朝敵とされる。
最終的には土佐藩に対し無血開城となるのだが、幕末の動きとしては地味に負け馬に乗った印象だ。

松山城天守の2010年

幕末に大きな役割を果たせなかった悔しさか、維新後に人物が出た。

日露戦争で勝利は不可能と言われたバルチック艦隊を破る作戦を編み出した秋山真之。
同じく、史上最強の騎兵と称されたコサック師団を破った秋山好古。
日本古来の俳句・短歌に写実性を取り入れ、俳句と短歌の息を吹き返した正岡子規。

である。

天守からの眺望 松山城天守

幕末、維新において、城は借景にもなり難い。
歴史を動かすのは時に強大な一人の権力者だが、この場合、多くの人物であった。

維新前後の日本の人物の出っぷりは世界史にも無いほど潤沢であり、その人物たちの熱量に引っ張られて日本史は動いたし、世界史にも大きく影響したともいえる。

この人物の開花は、しかし謎の枯渇をするのだが、やはり江戸という時代が育んだ土壌の上に出現すべくして出現したのであろう。

日露戦争の意義というのは日本史だけを見ていてもわからない。
世界史上、どれだけ白人が有色人種に対し優越していたかを見ないとわからない。

要するにあの頃の有色人種は家畜であった。
日露戦争での勝利は、絶望という言葉すら失っていた有色人種に、希望という言葉を一足飛びに思い出させる衝撃を与えた。

有色人種でも、白人に勝てる!!

その勝てる戦いを編み出したのが、このうだつの上がらない小藩の下級武士の、秋山好古、真之の兄弟だったのだ。


一方、正岡子規という人は、これは武人ではもちろんない。
彼は、松尾芭蕉の俳句に対し、簡単に言うと
「わかりにくい」と批判した。

春や昔 十五万石の 城下かな

松山城 坂の上の雲 天守

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

なんてわかりやすい。
法隆寺で柿を食べていたら鐘が鳴ったよ。
それだけなのだ。

松尾芭蕉の

古池や 蛙とびこむ 水の音

これもシンプルだが、水の音を聴くことにより、その周囲の静けさに気が付くといった雰囲気も併せ持っている。

素人なりの感覚だが、シンプルなのは似ているが、やはり少し違うようだ。

子規は、野球を日本に普及した功績もある。
ベースボールに「野球」を初めて当てたのは彼で、彼の「升(のぼる)」という名を「野」「ボール(球)」とモジッて野球としたのだ。
「打者」「走者」なども子規の訳で、2002年にはそういった功績を評価され野球殿堂入りを果たした。


はじめての松山城は、リフトを使用した。
あっという間に中腹に行けて、現存建物群にすぐ到達できる。

本丸の売店での愛媛みかんのカキ氷が美味しかった。
ギラギラ太陽とカキ氷の冷たさ、道後温泉で買った道後温泉うちわをパタパタしながら歩いた迷路のような本丸。

親父はどうも冥途の土産話にと思っているようだが、Nはいずれまた来るだろうな。
と思ったのであった。

伊予松山城(城郭についてはこちらへ☆)

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