浦賀 ~旅のはじまり~

 旅日記らしきものを書くにあたって、いったいどこから書き始めようかとぼんやり苦慮していると、ふと最近テレビなどで割合クローズアップされはじめている、筆者のふるさと、浦賀の情景が浮かび上がった。
 『浦賀』
なる町は歴史上、いわゆる幕末の時代、アメリカのマシュー・ペリーが黒船で来航したことでご存知だと思われる。


太平之 眠気をさます上喜撰(蒸気船) たつた四はいて 夜もねられす

 曽祖父たちは、浦賀湾に突如姿を現した黒い異物に、恐怖心と好奇心をないまぜにした心持で、「何はともあれお茶でもいっぷく」といった様子で、洒落っ気たっぷりに後世語り継がれる狂歌を詠んだ(上喜撰はお茶の銘柄)。

 近年では、「来航の地」という枕詞は隣町の久里浜や、静岡県の下田にお株を奪われがちであるが、浦賀町民は枕詞に大きく拘ることもなく、この歴史的役割を果たし終えた静かな古港町に愛着を持って住み暮らしている。


左側が浦賀ドック、右側が浦賀商店街
浦賀商店街


 浦賀の駅は京浜急行の終点である。
 3年ほど前から電車の到着音が急に「ゴジラ」の上陸音に変わり、この町の井戸端では数日間に渡り賛否の議論が交わされたが、いまではすっかり定着しており、著者も朝からこの場違いともいえる破壊音を苦もなく受け入れている。
 なお、京急は堀の内駅から久里浜方面、三崎口へ向う路線と浦賀へ向う路線に分かれるが、浦賀方面が本線なので、その点お間違えの無きように(これは浦賀住民のこだわりである)。


浦賀駅

 浦賀駅の改札から出て、まず見えるのがおそらくは学校だと思われる。それが著者の通った創立110年を超える「浦賀小学校」である。

その左に見えるのが、通称
 浦賀ドック
2003年に護衛艦「たかなみ」の竣工をもって閉鎖となった。
現在では地域の人々のコミュニティーの場として利用されている。

 浦賀周辺地図はバスロータリーの真ん中あたりに看板があるので、それを参考に散策するといい。


ボライドから撮影した浦賀ドック
浦賀ドック


 浦賀ドックを左手に、浦賀商店街(一枚目の写真)を歩くと、屯営跡の碑の説明板(ドック横)や大衆帰本塚の碑(浦賀警察署横)といった、浦賀の歴史が垣間見れるものが散在している。浦賀ドックのレンガ壁はここに確かに歴史が息づいていたことを今に教えてくれている。


大衆帰本塚の碑
大衆帰本塚碑

 ドックに沿って歩いていくと、みちなりのカーブの右側に「浦賀文化センター」という小さな施設がある(坂を30秒ほど登る・プールに隣接)。
 この付近は「ボライド」と住民から呼ばれている。昔、洞(ほら)と井戸があったかららしい。
館内には手作りではあるが浦賀の古い町並みや咸臨丸の模型や、多少の資料が展示されている。入館料は無論、無料である。


浦賀文化センター
浦賀文化センター

 浦賀文化センターから少し歩いて、信号を郵便局の方の路地に向って歩くと、車通りの少ない、安全に西叶神社へ行ける道。信号を直進すると、車どおりが多く歩道もないが浦賀湾を横目に西叶神社へ向う景観のよい道。
 写真は浦賀湾沿いの道。少し前にミニストップができた。

西叶神社側から見る東叶神社=浦賀城遠景
浦賀城遠景


 叶神社は東西に分かれている。
 著者は幼少時より、西叶神社をよく遊び場としていた。
最近では願が叶うと評判で、昨今流行のパワースポットとして秘かに人気が出てきている。

西叶神社

叶神社では、毎年第2土・日曜に例大祭があり、地元では
 浦賀祭り
と通称され、近隣だけでなく、遠方からも来訪する人がいるほどで、路地は夜店と人でごった返し、神輿も各町内からそれぞれ出張って浦賀の通りを周遊し、今でも活気があふれにあふれる祭りである。
付近の為朝神社では、無形文化財に指定された「虎踊り」が今でも毎年催されている。


浦賀祭りの夜店。祭囃子と人々の活気がムンムンだ!
浦賀祭り夜店

 愛宕山は、西叶神社の少し先の小山である。
 桜の季節は素晴らしく、与謝野晶子の碑、咸臨丸出港の碑など、浦賀の歴史にかかわる碑文も多く置かれている。
ここからは浦賀湾、東叶神社、有名俳優Kがアイ・キャン・フライしたマンションや、その先の東京湾が眺望できる。

愛宕山から少し先、秘密の絶景ポイントからの浦賀湾
浦賀湾

浦賀の渡船は、東浦賀から西浦賀へショートカットできる便利な渡船である。地元では
 ぽんぽん船
と通称され、親しまれている。
5分程度の船旅で、
大人150円、子供50円、その他(自転車等)50円である。
横須賀市唯一の市営交通事業で、市道2073号線の水上区間となっている。
ちなみに、浦賀港に沿って歩くと、30分以上掛かってしまう。

ぽんぽん船

 ぽんぽん船からは浦賀湾や東西叶神社、愛宕山などが眺められる。観光以上に、東西浦賀を行き来する地元民の大切な交通機関でもある。漁船も近くに数隻停泊しており、浦賀病院向いの埠頭は地元の釣りの人たちの穴場となっている。

 ぽんぽん船で西浦賀から東浦賀に渡ると、すぐ東叶神社である。
先の西叶神社で勾玉を入手し、東叶神社で袋を入手し勾玉を入れておくと、恋愛の縁結びになり、絶大な効力を発揮するという。

東叶神社

 東叶神社境内には勝海舟使用の井戸があり、境内裏山は戦国時代の浦賀城址である。
裏山には勝海舟断食の碑などがあり、展望場からは、かつて首切り場であった燈明堂が眺望できる。
東叶神社から浦賀駅までは、徒歩10分程度である。
浦賀ドックを左手に、ゆるりとそぞろ歩きをしていただきたい。

 ひとまず、ありあわせの写真だけで浦賀湾周辺を廻ってみた。
浦賀は、決して観光地ではなく、リゾート地ではなく、情緒あふれる港町でもない。
でも、浦賀に住む人は、確かにこの地を愛し、確かにこの地をふるさととしている。
浦賀とは、そんな魅力にあふれた、温かい町なのである。

京急の記念車輌・ギャラリー号
京急・ギャラリー号


では、
しったかぶらせていただきますm(_ _)m


筆者は、いつもここから旅をはじめて、ここへ帰ってくる。
帰る場所があってこその旅。

ふるさとは、遠きにありて思うもの いつも心に抱くもの

なんだと思う。
浦賀に素晴らしい客人が来訪する日を、心待ちにしております♪


浦賀 ~旅のはじまり~ 参考地図

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